今週も土曜日に作業を行いました。
工務店さんのアドバイスでお風呂の下地にサンドモルタルを塗る事に。
プロには見えない私達がちょこちょこ何度も材料を買いに行くので
すっかり材料問屋さんにも覚えられてしまい、「まだ材料いるんか?もう完成か?」と
声をかけられて、最近は買いに行くのが恥ずかしいです。
お施主さんもすっかり荒壁塗りが得意になりました。
J君とS君はここのところ根性のいる浴室担当…。セメント左官技術は私よりずっと上手いです。(土壁は負けませんよ!!)
一年生木工担当O君は何度も失敗しながらも、ついに敷居を入れる事ができました。
最後は大工さんに細かいアドバイスを受けていましたが、何かつかむものがあったかな?
M君が丁寧にゆがみを合わせてくれた二階の床板ももうすぐ張り終わります。
やっぱり床が入ると部屋らしくなりますね!
さて今回はガレージ棟の西壁の工事のために
お隣さんの敷地からボロボロの西壁の状態を見せていただく事が出来ました。
正面から見るとますますすごい状態です・・・。
この東寺町家は町家の歴史の中では一番最後、昭和初期の建物で
コンクリートの布基礎に土台があり、いわゆるひとつ石基礎の伝統軸組構法ではありません。
トオリニワの吹き抜けには火打ち梁もあり、西側から外壁を見ると筋交いがありました。
これは大正以降の町家によく見られ、在来軸組構法に近いものです。
町家の定義って何?と聞かれたとき、
よく「
戦前に
木造伝統軸組構法で建てられたもの」と言うことがありますが
じゃあ東寺町家は町家じゃないの?と言われると困ってしまいます。
京町家まちづくりファンドの条件など見ると
「昭和25年以前に建てられた木造建築物」とありますし、
木造で町家の伝統意匠を引き継いでいる物ならば、町家と呼べるのではないでしょうか。
私達も「町家」のカテゴリーにこだわらず、魅力的な日本の庶民の建物を守っていきたいと思っています。
それが住まい手さんの愛着ある建物ならなおさらですよね。
とはいえ、再生可能な材料を使う伝統軸組構法が平安時代から続く町家の基本で、日本木造建築の大きな魅力であることも改めて実感しています。
改修工事でどんなに辛い事や困難があっても、やめられないと思うのは
自分の知らない時代の誰かの手で建てられた建物が常に何かを語りかけてくるからです。
工事中、床や壁や柱と向き合うとき、いつも建物が建てられた時代の痕跡があります。
柱に穴を開ける時などはとても勇気がいります。
下手な工事をしたら誰かに怒られそうなのです。
誰かって、もちろんお施主さんや先生という意味ではなくて(笑)
私よりずっと長く生きている家の固い木たちは魂が宿っていそうですよね。
大黒柱・恵比寿柱など神様の名前がつけられるのもそのせいでしょうか。
土壁の竹小舞は柱に傷を付けるのが最小限だということに気付いた時は、
またしても先人にしてやられたな~と思ってしまいました。
改修工事は昔の人との勝負でもあります!
12月に入り急激に寒くなりました。
みなさま暖かい物を食べて風邪を引かないようにしてくださいね!
(お駄賃袋の顔もちょっと弱り顔のよしだより)
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