去る12月7日、町家ゼミで学校の近くの町家を見学させていただくことに。
外観は高塀がそびえ立ち、立派な門構え。お屋敷のようです。
ここにお住まいのMさんは、ドイツ人。どのような経緯でここに住まわれたのでしょうか…。
さっそく中へ・・・門をくぐると、玄関がふたつ・・・。
ん?今まで勉強してきた細いうなぎの寝床とは違うような~・・・
廊下もあるし、階段も押入れの中じゃない・・・やっぱりお屋敷?!
よしやまち校舎も「中の下」と言われますが、
普段1列3室形のような一般的な町家ばかりに触れているせいか、
こういう格式高い大きな町家をみると緊張します。
そんなカチカチの町家ゼミ一同をMさんは笑顔でやさしく奥まで案内してくれました。
ほんの小さな玄関だけでも見所満点!
障子ひとつとっても、今では難しい編むような組み方にしてあったりと、
S先生の説明に一同感嘆。Mさんも日本の職人技に興味津々。
座敷を覗くと…
ファ、ファンタスティック!!(゜◇゜)!!これ、どうなってるんでしょう??
なななんと、鴨居のうえにツリー用電飾が♪
ちょっとびっくりしましたが・・・襖の金の雲がキラキラ浮かんで・・・いいかも!!?
クリスマス前ということで、そこかしこに飾り付けがしてありました。
日本にはないクリスマスまでの過ごし方があるようで、リースやカレンダーの使い方を教えてもらい、みんな興味津々です。
置いてある家具にしろ、大きなソファーにしろ、一見町家には似合わないのでは?と思いそうなんですが
ここではダイニングテーブルもイスも、なぜかしっくり合っています。
座敷は天井も高いし、この広々とした家のスケールに合っているのかもしれません。
二階にあがると手すりにヴォーリズを思わせるような洋風の木彫がついています。
踊り場の脇には小さな素敵な洋間が。Mさんはそこがお気に入りで書斎にされていました。
日本の古い木建具に外国製のデスクが似合って、とってもかっこいいなぁ~と思いました。
二階座敷は青灰色の土壁で、この色が暖色系の柱や長押の木の色と引き立てあうのだと聞き、
うーん、なるほどな~。日本ならではの綺麗な色合いです。
最後はみんなでちょっとした意見交流を。…緊張してなかなか言い出せません!
Mさんは京都の町家がどんどんビルやマンションに代わっていくことに心を痛めておられ、
いつか自分はドイツに帰るのだけども、この町家がどうなるのかとても気にされていました。
全国、全世界の人々が愛し、訪れる京都。その魅力はなんでしょう。
京都らしさだけでなく、ここには日本の原点があると期待して訪れる人も多いはず。
Mさんは年末年始に玄関先でお正月飾りを見る事が少なくなった事もさみしい、とおっしゃっていました。
そんなわけで、よしやまち校舎も年末あわててしめ飾りをつけました。
やはりつけてみると気持ちが良いもので、おめかししたよしやまち校舎も嬉しそうでした。
我らがよしやまち校舎ながら風格が漂います。馬子にも衣装?
忙しい中でも正月を迎える準備をすると、新しい気持ちになり、心がきりりと引き締まりますね。
Mさん、喜んでいただけたかな・・・。
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