それはまた突然の事でした。
日曜日。夜は堀川灯ろう祭り、明るいうちからお風呂に入ろうじゃないかと、
商店街から程近い栄湯に向かった銭湯部。
栄湯といえば、お地蔵さんの奥にのれんがかかり、
中に入れば小ぶりな脱衣所と浴室、そのど真ん中にコケシ型の熱いお風呂という
なんとも家庭的なかわいらしいお風呂屋さんです。
こんな独特の雰囲気が小粒にギュッと詰まったお風呂は京都でも珍しく、
近くにあれば日通いしたいと思っていたお風呂でした。
「栄湯は3時半からやからねぇ~」
お風呂セットの入った風呂敷包みを片手に、栄湯に到着・・・
ん?様子がおかしい。のれんがかかってない。時間は過ぎてる。定休日?は火曜のはず。
お地蔵さんがもぬけのカラ。んんん?
まさか・・・
ああ・・・
ポカーンとしてしまった。
原油高かぁ・・・
ここもか、と言い切れない。コケシのマンダラ湯船の栄湯はここにしかないのに。
今後どうされるのだろう。
お風呂屋さんは色々あるけれど、子供心にワクワクするお風呂屋さんは決まっている。
建物の綺麗さとかではなくて、湯船の楽しさ。
栄湯に入りにいくときはわくわくする。ぎゅっと濃く詰まったタイルの塊。
しょぼくれながら、同じワクワク系の相生湯に向かった。
頂上から流れる段々風呂に入りつつ、ボケーっと栄湯のことを考えて悲しくなる。
健在な頃の栄湯の姿
「本日わかします」という言葉のあたたかさと力強さ。
なにかできる事がないだろうか。
銭湯部は今日も唸りながら活動中です。