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ひぐらしメモ

京都の小さな建築屋さん「日暮手傳舎」の日々です。
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さようなら?!木屋町の電気屋さん

ちかごろ驚くことが続きます。

みな様、飲み屋のビルが並ぶ木屋町通の高瀬川沿いにある、不思議な電気屋さんをご存知でしょうか。

看板には「数奇屋照明電気材料大卸・タチバナ商会」
店内からもれだしている照明の光、いや「あかり」は暖かなオレンジ。

0510062309.jpg
元々は古い炭屋倉庫だったという町家の中に
懐かしい日本の照明が店内狭しとぶらさがり、

基本はちゃぶ台の食卓の上に付くような懐かしい乳白色のガラスの照明。また町家の玄関に多いぽっかり浮かぶ丸い鶴首ライトや、老舗旅館で見たような行灯、木の電柱についているようなアルミの電気笠、お医者さんが良くつけていた赤いガラスの球・・・などなど「ああ、自分はこういうあかりを探してたんだ、なんでこんな素敵なものが今作られていないんだろう」と疑問がわいてしまうほど。

それと同じぐらい店内にたくさんぶら下がっているのは店主のおじさんの熱いコメント。


「(この照明をつけたら)みかんがウマイ」
という灯り一つ一つの説明モノ?や

「思い出してください人情の厚い日本
 美しい風景の日本の姿」
という思いのこもったコメントまで

見ているだけで楽しく、色々な感情が出てきます。
白々しく目の痛いホームセンターの照明展示場で蛍光灯を選んでいるのとは、わけが違うのです。
あなたの人生に、暖かいものをひとつプラスするのです。
家の蛍光灯をここの灯りをひとつ買って付け替えてみてください。
その日から、奥さんがやさしくなります。(店主談)

おじさんは言いました。灯りで日本を良くしたい。変えたいと。
ここの灯りじゃ昼間ちょっと暗い?
家が暗いなら外に出かければいい。
夜も暗くて仕事が出来ない?
家は休むところ。夜は寝る時間。
日本人はそういう生活をしてたんだよ。

蛍光灯は人間を家の中に閉じ込もらせる。見なくていいところまで見えてくる。
白熱灯は暖かな黄金色で人を、家を、風景を浮かび上がらせる。
日本の家庭にまた暖かな灯りがともれば、おかしな犯罪も少なくなると思う。

ひやかしは嫌い、でも同じ熱い思いを持ったお客さんにはとことん熱く、やさしく、照れながら自分の思いを語る店主のおじさん。


そんな京都の、日本の大事な電気屋さんが
この春、木屋町から姿を消します。

81年間この町家を借り、営業されていたのですが、この6月取り壊され、ビルに建て替わってしまうそうです。

そんなばかな。

京都はアホやなぁ。大切なものはなんなのか、どんな日本の社会を作りたいのか。
今だからこそ、考えてほしい。
灯りも、町家も、銭湯も、路地も・・・
懐かしいと思うことは、ほっとすること。
昔のもの、古いもの、懐古趣味、時代遅れと簡単に片付けないで、見直してください。
シンプルで、素朴で、頑丈で、やさしく、よっぽどおしゃれで、想像力に富んだ、日本が作ってきたもの。

なにか社会全体が日本の暖かい文化を根絶やしにしようとしているんじゃないかと思ってしまう近頃です。

一度この暖かな灯りを見に来て、人生変えてください。

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町家見学①ドイツ式町家?!

去る12月7日、町家ゼミで学校の近くの町家を見学させていただくことに。

外観は高塀がそびえ立ち、立派な門構え。お屋敷のようです。
ここにお住まいのMさんは、ドイツ人。どのような経緯でここに住まわれたのでしょうか…。

さっそく中へ・・・門をくぐると、玄関がふたつ・・・。
ん?今まで勉強してきた細いうなぎの寝床とは違うような~・・・
廊下もあるし、階段も押入れの中じゃない・・・やっぱりお屋敷?!

よしやまち校舎も「中の下」と言われますが、
普段1列3室形のような一般的な町家ばかりに触れているせいか、
こういう格式高い大きな町家をみると緊張します。

そんなカチカチの町家ゼミ一同をMさんは笑顔でやさしく奥まで案内してくれました。
ほんの小さな玄関だけでも見所満点!
障子ひとつとっても、今では難しい編むような組み方にしてあったりと、
S先生の説明に一同感嘆。Mさんも日本の職人技に興味津々。

座敷を覗くと…
ファ、ファンタスティック!!(゜◇゜)!!これ、どうなってるんでしょう??

d977d9ff.jpeg

なななんと、鴨居のうえにツリー用電飾が♪
ちょっとびっくりしましたが・・・襖の金の雲がキラキラ浮かんで・・・いいかも!!?
クリスマス前ということで、そこかしこに飾り付けがしてありました。
日本にはないクリスマスまでの過ごし方があるようで、リースやカレンダーの使い方を教えてもらい、みんな興味津々です。

置いてある家具にしろ、大きなソファーにしろ、一見町家には似合わないのでは?と思いそうなんですが
ここではダイニングテーブルもイスも、なぜかしっくり合っています。
座敷は天井も高いし、この広々とした家のスケールに合っているのかもしれません。

eaedb6e8.jpeg

二階にあがると手すりにヴォーリズを思わせるような洋風の木彫がついています。
踊り場の脇には小さな素敵な洋間が。Mさんはそこがお気に入りで書斎にされていました。
日本の古い木建具に外国製のデスクが似合って、とってもかっこいいなぁ~と思いました。

二階座敷は青灰色の土壁で、この色が暖色系の柱や長押の木の色と引き立てあうのだと聞き、
うーん、なるほどな~。日本ならではの綺麗な色合いです。

最後はみんなでちょっとした意見交流を。…緊張してなかなか言い出せません!

Mさんは京都の町家がどんどんビルやマンションに代わっていくことに心を痛めておられ、
いつか自分はドイツに帰るのだけども、この町家がどうなるのかとても気にされていました。

全国、全世界の人々が愛し、訪れる京都。その魅力はなんでしょう。
京都らしさだけでなく、ここには日本の原点があると期待して訪れる人も多いはず。
Mさんは年末年始に玄関先でお正月飾りを見る事が少なくなった事もさみしい、とおっしゃっていました。

そんなわけで、よしやまち校舎も年末あわててしめ飾りをつけました。
やはりつけてみると気持ちが良いもので、おめかししたよしやまち校舎も嬉しそうでした。
我らがよしやまち校舎ながら風格が漂います。馬子にも衣装?
忙しい中でも正月を迎える準備をすると、新しい気持ちになり、心がきりりと引き締まりますね。
Mさん、喜んでいただけたかな・・・。

ばったり床几の並ぶ町並

1.JPG先日ふらりと自転車に乗っていると、五条を上がったあたりで低い軒の並ぶ細い道に出ました。

なにげなく通り過ぎようとしたのですが
写真一番手前の家を見て、「おや?」
玄関の横に何かついてるぞ?

おお・・・これは噂に聞くばったり床几!
町家の知識本などを見ているとお馴染みのものですが
実際についている家、残っている家は思ったほど見かけません。

よく見ると隣の隣の家にもまったく同じ位置に同じ床几が。
とするとこの並びの家には昔はばったり床几が並んでいたに違いありません・・・。(と、勝手に予想)

床几の上に品物を置いた見世が並んでいたのでしょうか。
屋根の低さが揃っているのもなかなか良い眺めです。

京都の町は自転車でぶらぶら通ると色んな発見があります。
私はもともと道草が大好きなので、よそ見ばっかりです。危険運転ですけど…。

2.JPG









町家ゼミ開始!

始まりました、後期町家ゼミ。
前任のコモノ大師匠からの引継ぎ、目の前にいるのは普段喋っている学生達なのに、やたらと緊張…。
あらためまして、町家ゼミ担当のヨシダです。

前期は町家の基礎知識ということで、
後期は実践!大宮町家の現場手伝い、またいくつか町家の見学も行う予定です。

CIMG7485.JPG

初回は大宮町家の現地見学と説明です。
次回から作業着、作業靴、タオルを忘れずに!

気になる町家

↓学校の近くの町家なのですが・・・。
CIMG9779.JPG

とうとう2軒丸ごと「売土地」!の大きな張り紙が。
近頃良く見るのですが、町家が売られる時は「売土地」!
「売町家」!なんて書いてくれないかなぁと思う今日この頃…。

それでもまだ建物が残っているだけ希望があります。
更地にして出て行く方も多いので、細く長いちゃっちゃな更地を見ると
ああ、ここも町家が…と悲しくなったりします。

それにしてもこの町家、よく見るとどちらも玄関周りに凝った細かい細工がしてあったりして
きれいな意匠なんですよね~。木賊や竹のちょっとしたあつらえも、よい風情が。
何のお商売をされているんだろうと前々から気になっていました。

…はぁ…、どうなることやら。このまま利用される事を願っています…。

CIMG9781.JPGCIMG9785.JPG

お手伝いします!

CIMG9773.JPG衛生掃除という言葉にピンときた方おられますか?
毎年学区で一斉に畳を上げて、風通しをして、床下を掃除して、家の痛みをチェックして…
そうやって町家はずっと手入れされて、長持ちしてきました。

木造であっても、コンクリートであっても、家の点検やお手入れというのはとても大事な事です。
最近は手がかからないことが素晴らしいなんて言いますが、おかしな話です。
人間も乗り物も家もなんでも、放っておいたら弱くなるのは当たり前のこと。

でもやりたくても人手がないとなかなかしんどくて、
まぁ今年はいいか、と言ってから何年経ったのか・・・

そして「え?床下なんて覗いたことないよ!」という現代の若者も増えています。
最近の家は密閉されているし、
知らないし、わからないから、放っておいてしまうのも事実です。

なかなか出来ない吹き抜けの埃取り、家に夏の簾戸はあるけど、大変だから替えてない…。

いやいや、みんなでエイヤッとやってしまえば簡単です!
そして、やってみるとなんだかすがすがしい。

埃にまみれて、ドロドロになっても何事も勉強!楽しんでしまうエネルギーの塊、そんな学生もたくさんいますし、もっともっと増えてくれると嬉しいと思っています。

さあ、みんなで衛生掃除をしよう!
困っている方は、気軽に相談してくださいね!

新学期

CIMG5631.JPGいよいよ新学期が始まりました!
学校では入学式も無事終了し、落ち着いてきました。
新1年生も、よしやまちをどうぞよろしく。

写真はどんどんと仕上がっていく五条坂のかわさき商店の現場から。
2年生がお手伝いに来てくれています。

職人さんの仕事ぶりはずっと見ていても飽きません!
この日は左官屋さんがむしこ窓の格子を塗っておられました。
私も一度だけ塗ったことがあるのですが
1面目を塗ったら違う面にはみ出て、そこを塗ったらまた違う面に…
という感じで、土をのせるのが本当に大変でした。
職人さんの手にかかった土は、じぃっとしていたり、するすると動いたり、本当に素直です。

この日は庭のハナカイドウも満開で、作業後みんなでお花見をしました。
設計士と大工さんの本音も聞けたりして、とっても楽しい夜になりました!

本当に現場は勉強になります。
新入生も、チャンスがあったらどんどん積極的に現場のお手伝いを経験してください。
こうやって建物は出来ていくんだという実感がわいて、
きっと色んなことに興味が出てくるはずです。









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