忍者ブログ

ひぐらしメモ

京都の小さな建築屋さん「日暮手傳舎」の日々です。
INDEX MENU

NEW

  • Home
  • 町家あれこれ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

平成の京町家

京都市の事業「平成の京町家」を考える勉強会に参加しました。

P9167909.jpg


何が町家で、何が町家でないか。
そのボーダーを引くのは本当に難しいのですが、
町に建築するという敷地や条件の制限は重要なことだと思います。

私が町家の何が優れていて、何が好きかというと、
とにかく「素材」に尽きます。
土に帰る自然素材を使って、ここまでの空間が出来る驚き。
家の柱も、家具も、お箸も、全部同じ「木」から出来ているって、よく考えると不思議だなーって思うんです。
それは工夫があってこそのもの。
原始的な素材から、ものを形作っていくというのは
建築の根っこ、人間の根っこにある喜びだと思います。

二次的な新建材を使った現代の家に
魅力を感じないのはそのせいなのかなぁと思ってしまいますね。
とにかく京都は環境都市として、
土に還る素材の使用を建築業界に推奨して、
建築業界が大量に出している建物の解体ゴミ(産業廃棄物)を出さない街を目指してほしい。
それが世界に誇れる京都のアイデンティティになる!と思っています。

P9167904.jpg
PR

お盆明け

学校はまだまだ夏休みです。暑い日続きますね~。
家の中でも熱中症になってしまうそうなので気をつけてくださいね。

さて、お盆が明けた京都の町にあらわれるコレ、なんだかわかりますか~??

P8180043.jpg


そう!地蔵盆のプログラムです!!
この時期、町中のあちこちで見られます。
町内会長さんとかが書かれているのでしょうか、達筆です。数珠まわしの絵もありますね。

P8180038.jpg P8180033.jpg

こちらも絵入り。しかも結構上手いです・・・。
町内ごとに工夫が凝らされています。
プログラムも隣の町内と競い合っていたりして・・・
地蔵盆は子供のお祭りですが、夜には「足洗い」といわれる大人のお楽しみもあります。
ぜひ、町歩きする際は今の時期しか見られないこんな風景にも注目してみてくださいね~!

町家古書はんのき

学校の二年生のKくんを中心に改修をお手伝いした「町家の古本屋さん」が
もうすぐオープンするというので、月曜日の町家ゼミで見学させてもらいに行ってきました!

この小さく見えて中身はでっかい町家が、「古書はんのき」さんです。
私は別の町家を手伝っていてこちらの作業にはほぼ立ち会えなかったので
若い3人が「町家で古本屋さんをしたいんです」と相談に来られた時のビフォーと
今回のアフターしか見ていないわけで、おおおー!本屋さんになってるー!(オドロキ)

RIMG0852.jpg

見学者の中にはお手伝いに参加した一年生もちらほら。
まず、みんなで町家倶楽部の小針さんに「町家改修の意味」を教えてもらいます。
建物が健全になるだけではなく、ひとりでお住まいの大家さんのおばあちゃんの気持ちの変化。
一人分のお茶しか入れていなかったのに、みんながわいわい作業に来て、
「ああ急がし」とみんなの分のお茶を入れてくれて、おにぎりを差し入れしないと!なんて
そんなおばあちゃんの変化が、すごく大事だということ。

RIMG0861.jpg

今回は同時期に改修した裏長屋も見せていただきました。
若い人が住みたくなる町家ってどんなのだろう?と大工さんが知恵を絞って作られたそうです。
小さな長屋ですが、ロフトなどでとても広く感じます。
学生達は目を輝かせてきゃっきゃと2階へ上り下り(笑)
みんなすっかり気に入ったようです。

ここでまた工夫された点を教えて頂きました。
本棚横のこの黒い壁・・・ただの壁と思いきや!

RIMG0867.jpg

わかりますか?からくり忍者屋敷のように隠し部屋が!!ひゃー
これは物入れらしいんですが、こういった物入れや本棚を隣家との境の壁に作ることで
隣との物音が伝わるのを軽減するクッションの役割になるよう考えたそうです。
確かに古い家はお隣さんと壁一枚で気を使いますよね。
それから、未完成にする事。
住みたい人が自分で好きな家に出来るよう、未完成の部分を残しているそうです。
たとえばこのトイレ♪好きなトイレットペーパーホルダーにできるようホルダーをつけず・・・
いやついてる・・・ホルダーちっちゃ!!!

RIMG0874.JPG

さてさて、古本屋さんに戻ります。
こちらの改修の様子ははんのきさんのブログ
http://machiyakosyohannoki.blog114.fc2.com/
にて見れます♪いや~、みんな頑張ったのね~

はんのきさんの場所は裏千家もご近所の寺ノ内小川下ル
いよいよ7月4日正式オープンです!
学生さん達からは「頑固おやじのいる古本屋は入りにくいけど、こんな古本屋さんだったら入りたい♪」との声。
古い絵本、古写真本、昔の教科書など、面白そうな本がたくさんあります~!!
ぜひお気に入りの本を見つけに入ってみてくださいね♪

町家なつながりで

最近、他大学の町家キャンパスの管理人さんと仲良くなりました。
私がよしやまち町家校舎管理人のよしやまち子というならば
京都学園大学新町町家キャンパス管理人の学園大まち子さんです。

そんなわけで先日、噂の町家キャンパス「新柳居」(名前がかっこいい!)に行ってまいりました。
98a99556.jpeg

呉服屋さんの立派な町家が多く残る新町通りにある町家キャンパス。
外から見ると厨子二階で、間口もそんなに大きくないように見えるのですが・・・
こりゃこりゃ、入ってみるとなんと大きな!蔵もあります!
町家キャンパスとして使用されているのはオモテ家の部分だけで、奥に大家さんもお住まいなのですが、
よしや町校舎のトオリニワの突き当たりくらいから、大家さんの玄関が始まるといった感じです!
この大家さんの玄関がまた、凛とした様子で素敵でした。

c0edb27d.jpeg

厨子二階の部分もプロジェクターなどでプレゼンが出来るような部屋になっており、
大学の素晴らしい設備環境にしばしオドロキ・・・
(いやいや、よしやまち校舎だって自慢の掘りごたつがあるもんね♪)

学園大まち子さんも、町家の魅力にはまってしまって行動を起こしている方です。
これからもなにかと共に町家を追求していけたら良いですね~♪

--------------------------------------

ってなわけで、先日もまた学園大まち子さんと
楽町楽家イベントで公開中の町家、「佐藤家」に行ってまいりました。

5fb07850.jpeg

想像していたより小ぶりな、かわいらしい、しかし魅力ある町家でした。
SDCの学生さんたちによる、改修案コンペが展示してありました。

2d346405.jpeg

さすがデザイン系の学生さん。きれいなパース、模型も細部まで丁寧に作ってあり、家主の佐藤さんにも思いが伝わったのではないでしょうか?
 

島原ライトアップ

ご報告が遅くなってしまいましたが
先月の終わりにonozomi.comという京都の面白い情報ページにて
京都銭湯部を紹介していただきました!
ここで見れます→http://www.onozomi.com/knews/2009/01/post-82.php
他にもこのサイトは面白いところに目を付けてるので覗いてみてください♪

RIMG0071.JPG


先日、前から気になっていた島原のライトアップ、やっと見れました。
この照明は織物に使うプログラムが入った「紋紙」という紙で出来ているそうです。
まだ明るかったので日暮れるまで島原大門横の「ギャラリーのざわさん」でのんびり。
そこでライトアップの実行委員をしている学生さんとお話して、
すごくしっかりされていて、色々な思いがあって、ああ、すばらしいな~と思いました。
銭湯部の取材をしてくださったonozomi.comの方も、私と変わらない年で自分の意見をしっかり持っておられたし、
若い人が熱い想いを持っているって、すごく嬉しい気分になります。
(わたし、すでにおばあちゃんみたい・・・)
日本は捨てたもんじゃない!って、勇気がでますよね!

RIMG0085.JPG

ひっそりとした島原に、灯りがともりだしています・・・

11/25京都まちなかこだわり住宅見学レポート

先日魚谷先生のゼミ見学に同行し、京都まちなかこだわり住宅を見せていただく機会がありました。この建物は本校講師の魚谷先生が設計に参加し、京都まちなかこだわり住宅設計コンペで最優秀賞に選ばれ、実際に京都市内に建てられたものです。

 

若手設計者が建てた新しい京都にふさわしいすまいという事で、町家を愛しこれからの日本の住まいを考える私としては以前から気になっておりました。噂によると日本風というより思いっきりモダンで、京都の伝統産業とのコラボレーションもあるということ、スタイリッシュなモダンに濃い伝統産業ではバランスが取れるのだろうか?などなど想像しながら現地へ向かいました。

 
RIMG0342.JPG

 

まず、外観。パンフレットなどで何度か目にした事があります。京都を意識するとこうなるんだろうなという前面木格子、庇を周辺隣家と合わせてありますが、結構迫力があります。前庭の半分は石砂利が敷き詰めてあり、一見おしゃれなお店のようです。個人的には表側にも植物など生活感を感じるやわらかな印象が欲しいなと思いました。これから住まい手さんが味を出していかれるかもしれません。

RIMG0345.JPG  


中に入るとそのまま土間スペースで、机が置いてあり事務所のような部屋。

住まい手さんはデザインのお仕事をされているらしく、インテリアが建物にぴったり合っていて素敵でした。ここは本来はガレージとして設計されたらしいのですが、もったいなくて車は別の駐車場を借りて置いているそうです。確かにガレージにはもったいない空間です。外は雨が降っていたので靴下で土間を歩かせていただきましたが、不思議な事にコンクリートの土間床は暖かく、基礎で断熱しているからと教えて頂きました。

正面奥は庭があり、壁一面大きな吹き抜けの窓になっています。

よくテレビで見る建築家の建てた家で表側のリビングに吹き抜けの大きな窓がついているのをちっともよくないと思っていたのですが、庭に面したこの窓はとても居心地がいいなと思いました。それというのも、ここのお庭は森の雑木林のような雰囲気で、部屋うちまで繋がっているようで心が静まります。晴れた日はもっと光がきれいなんだそうです。私がここに住んでいたら一日中この部屋で過ごすと思います!他の学生も言っていたのですが、窓の外をみていたらここが京都の街中というのを忘れそうになりました。京都らしさがコンセプトなのに京都じゃないみたいというのは可笑しいなと思ったんですが、もともと古来京都の町の家というのは町にありながら庭で山と繋がっている、市中の山居であったはずなので、一番京都らしい要素なのかもしれません。

 RIMG0356.JPG


居心地の良い土間スペースの吹き抜けが、そのまま二階のリビングにつながっています。

真横にダイニング、キッチンと続き、表側の窓からは格子越しにおもての家並みが見えます。それがまた味のある絵のような京都の風景だったので、表側は京都と繋がっていて、裏側は森と繋がっているというなんとも不思議な家だなぁと思いました。

 

RIMG0358.JPG

細かい部分ではクーラーの目隠しが建物の雰囲気に合わせて作ってあったり、

かと思えばキッチンにダクトの管が丸見えだったり。これはメンテナンスの時にすぐ対応できるようにとの設計のこだわりだそうで、なんでも壁や天井の中に隠されて見えない今の家のようにはしたくなかったからということです。そう言われればこの建物の主な壁は集製材のコンクリートのような厚い板の塊で出来ていて、シンプルな部材露わしの意匠も、伝統的な木造家屋との共通要素かなぁと勝手に共感していました。嘘がない素の建築っていいですよね。土間の間仕切りとして使われていた分厚い四枚戸が、引き込んでしまえば壁のように目立たなくなるのも面白かったです。

 

RIMG0352.JPG

その他気になっていた伝統産業とのコラボレーションですが、西陣織でもアジアの民族布の様なものであったり、漆でもざらついた物、畳でも片縁にしてみるなど、想像していた伝統産業とはまったく違って魚谷流になっていました。伝統産業と言っても、ひとつではなくこんな事も出来るんだという事が認知されればと思います。

階段ホールに付けられた特別細く長い北山杉ののぼり棒には学生も喜んで滑り落ちていました…。

 

というわけで、最初想像していたものとはまったく違う印象でした。生意気に色々言ってしまいましたが、実際行って感じなければ分からない良さや驚き、工夫がたくさんあり、同じ建築を目指すこれからの世代としてとても刺激され勉強になりました。やっぱり土間はいいと思ったし(そのかわり玄関ホールはいらない派)、町なかで山(自然)と繋がるひとつの実現例や、京都の古いものをこれからの人に魅力的に見せるヒントがここにはあるような気がしました。

RIMG0374.JPG
 

最後に、住んでいる方がこの家の良さをさらに引き出しているなぁというのを感じました。

お忙しい中見学させていただき本当にありがとうございました。

町家入居者募集

町家でなにか自分で始めたい!アトリエ・お店が持ちたい方に…
東山区の職人、アーティストが集うあじき路地の大家さんから空き家のお知らせです。
あじき路地は松原通のお風呂やさんや八坂の塔、陶器の五条坂が周辺にある
素敵な長屋の並ぶ路地です。


RIMG0756.JPG築約100年の町家に一軒空家ができましたので、この度入居者を募集させていただきます。
基本的には町家に住みながら製作活動や新しくお店を開きたい方を希望いたしております。(ペット、犬やネコはお断りしています、ごめんなさい)

入居をご希望の方はタイトルに「あじき路地入居希望」を付けていただきmorikuma80@hotmail.comに送信ください。(空メールで結構です)
こちらから入居希望のエントリーシートをメールにて送らせていただきます。

※エントリーシートはエクセルデータで送らせていただきますが、手書きでも結構です。お書きいただいたエントリーシートはお手数ですが、オープンハウスの日にご提出ください。

その他詳細につきましては、オープンハウス当日にご説明させていただきます。

オープンハウス予定日:
10月25日(土)・26日(日)
11月8日(土)・9日(日)
両日とも10:00~16:00

住所:京都市東山区大黒町通松原下ル二丁目山城町284



RIMG0757.JPG

←入居していただくのはこちら。
 家賃5万円、礼金5万円、更新料はなしです。
 扉は木製のものに替えます。





==================================
2009.12追加

入居者が決定したそうです!
素敵な路地ですので一度遊びにいってみてくださいね!
(よしだ)







× CLOSE

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

最新コメント

[05/19 backlink service]
[06/02 シロヤギ]
[03/11 K]
[02/26 yama]
[08/18 よしやまち子]

ブログ内検索

× CLOSE

Copyright © ひぐらしメモ : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]