今年の初めから文化財マネージャー育成講座という勉強会に通っています。
先日は「保存活用について」の講義で、おもしろいことを聞きました。
生きた保存活用と
死んだ保存活用があると。
町家の保存活用ひとつにも色々ありますね。
住居として、学校として、お店として、ゲストハウスとして、事務所として、
当時の姿のままに修復して公開したり、
現代的な改修をしたり、
建築家はよく「最近の飲食店にされた町家はよろしくない」と言いますが
一般の方に人気のあるのは飲食店町家だったりします。
どれが一番良くてどれが悪い使い方なんてなかなか分けることは難しいです。
よしやまちの町家は元々はカマボコ屋さんでしたけど、いまは校舎です。
講義してくれはった先生が言わはるには、
「博物館的活用は下の下!(どうしようもないとき)
人が暮らすのが一番良い。
どうしても駄目なら、そこで働く。
最低でも一日8時間は人が居る事が望ましい。」
これには納得しました。
どれだけ素晴らしい建物があっても、
そこに人の気配がなければ魅力は半減です。
ふつうの建物でも、手入れされた植木鉢や玄関まわりを見るだけで
そこに住む人の心や建物が愛されているのを感じて心が穏やかになります。
私が思うに、活用の仕方はなんでもいいのだと思います。
ただ、その建物が誰かの、「●●さんとこの●●」になることが大事だと思うのです。
「山田さんとこの文房具屋さん」
「野村さんとこのレストラン」
「木村さんとこの工務店」
「豊島さんとこのお風呂屋さん」
あの人がやったはる・・・顔が浮かぶ時、町は生き生き。
誰がやってるかわからない飲食店や、事務所や、スーパー銭湯ばっかりの町になったとき、
ちょっと不安です。
営業時間が終われば誰もいなくなる建物はさみしいですね。
愛される時間が短く浅い。
そういう意味でも、町家は職住一体の姿が一番魅力的なんでしょう。
うちの校舎はギリギリ8時間勤務ですが(笑)
よしやまちといえば私の顔が思い浮かべてもらえるよう、がんばります♪
無題
無題
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