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ひぐらしメモ

京都の小さな建築屋さん「日暮手傳舎」の日々です。
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よしやまち夏準備

RIMG0302.JPG

もう夏みたいですね~。よしやまちも暖簾をかえて風鈴を出して夏準備。
連休明けに蒔いた朝顔も、むっくり芽を出してきました!

暑かったり寒かったり、インフルエンザなど心配事もありますし、
みなさま体調に気をつけてくださいね~!
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死んでいる町家、生きている町家

P1020855.JPG今年の初めから文化財マネージャー育成講座という勉強会に通っています。
先日は「保存活用について」の講義で、おもしろいことを聞きました。

生きた保存活用と
死んだ保存活用があると。

町家の保存活用ひとつにも色々ありますね。
住居として、学校として、お店として、ゲストハウスとして、事務所として、
当時の姿のままに修復して公開したり、
現代的な改修をしたり、

建築家はよく「最近の飲食店にされた町家はよろしくない」と言いますが
一般の方に人気のあるのは飲食店町家だったりします。

どれが一番良くてどれが悪い使い方なんてなかなか分けることは難しいです。
よしやまちの町家は元々はカマボコ屋さんでしたけど、いまは校舎です。

講義してくれはった先生が言わはるには、

「博物館的活用は下の下!(どうしようもないとき)
人が暮らすのが一番良い。
どうしても駄目なら、そこで働く。
最低でも一日8時間は人が居る事が望ましい。」

これには納得しました。
どれだけ素晴らしい建物があっても、
そこに人の気配がなければ魅力は半減です。

ふつうの建物でも、手入れされた植木鉢や玄関まわりを見るだけで
そこに住む人の心や建物が愛されているのを感じて心が穏やかになります。

私が思うに、活用の仕方はなんでもいいのだと思います。
ただ、その建物が誰かの、「●●さんとこの●●」になることが大事だと思うのです。
「山田さんとこの文房具屋さん」
「野村さんとこのレストラン」
「木村さんとこの工務店」
「豊島さんとこのお風呂屋さん」
あの人がやったはる・・・顔が浮かぶ時、町は生き生き。

誰がやってるかわからない飲食店や、事務所や、スーパー銭湯ばっかりの町になったとき、
ちょっと不安です。
営業時間が終われば誰もいなくなる建物はさみしいですね。
愛される時間が短く浅い。

そういう意味でも、町家は職住一体の姿が一番魅力的なんでしょう。
うちの校舎はギリギリ8時間勤務ですが(笑)
よしやまちといえば私の顔が思い浮かべてもらえるよう、がんばります♪

見学中にて

RIMG0107.JPG今日は見学に韓国から女性4人が来られました。

よしやまち校舎が海外のガイドブックに載っているらしく
海外からのお客さんもよく来られます。

いつも案内する時は日本の伝統的な家の説明をして
その方の国の伝統的な家はどんなのですかと聞きながら、
押入の中の箱階段があるのを見せてわぁ~っと驚いた顔をされるのが楽しいのですが
今日のお客さんはすこし違いました。

「わぁ~なつかしい~」

え?今なんですと?
そういえばさっきからふすまや畳を見てはしゃいでおられます。
聞けば彼女達は釜山出身の方なのですが、幼い頃は日本風の家に住んでおられたそうです。

日本の植民地だったころ建てられた1910年築の日本家屋だそうです。
そこにはやっぱり舞良戸の押入れに階段があって、
二階には畳の部屋があり、床の間もあったとか。
そしてこんな事をきかれました。
「タタミっていっぱい虫がわきませんか?」
床下は寒いので虫もそんなに寄り付きませんよと答えると、
何か納得された様子で
「韓国では床下にオンドルが入っているのでタタミに虫がわいて大変でした」だそうです!

う~ん、おもしろいですね。
色々な方がよしやまちの見学に来られますが
いつもこちらが勉強させてもらっている感じです!

ドラマ撮影

昨日のよしやまち校舎は朝からいつもと違う雰囲気・・・
あれ?なんか設計事務所の看板になってる!

RIMG0789.JPG


べつに持ち主が変わったわけではありません(笑)
昨日はドラマ「おみやさん」の撮影がありました。
大勢のスタッフによる飾り付けでよしやまち校舎は町家の設計事務所に変身!
釘も使わずにセットをうまい事準備していき、
こういう大道具さん、小道具さんもおもしろそうな仕事やなぁと思いました。

RIMG0803.JPG

昨日は良い天気でしたが夜の撮影をするためによしやまちが幕で覆われたり、
二階の座敷がクリスマスパーティになっていたり、見慣れない風景にびっくりしつつ、
ひとつのシーンを撮るために1カットづつ何度も撮影を繰り返していて
こんなにドラマを作るのって大変なんだなぁ~と、勉強をさせていただきました。

今週からスタートしたおみやさん新シリーズの第6話だそうです。どんな風に映ってるのやら?!

モースの見た日本

niwa.JPG先日、取り壊される予定の町家を見学させて頂く機会がありました。

四条通りのすぐそばの老舗の呉服関係の商売をされていた町家で、奥に立派な蔵や数奇屋風の離れもあり、大変立派な歴史ある町家でした。

しかし家というのは住まい手の変化を敏感に感じ取るものなのでしょうか、「取り壊すと決まってから、急に家が荒れだした。どうしてこんなところに、というところに埃が溜まっていたりして…」と家主さんがおっしゃっていたのがとても心に残りました。

人が住むと、家には命が宿るんでしょうなぁ。



↑縁側で見つけた、気になるもの。これ、なーんだ?
ヒント:曲げた竹の棒と2本の竹で出来ている。縁側の軒先から吊るしてありました。

インコがとまっていそうな場所ですが、そうではありません。

これは・・・!

私は見た瞬間に、大好きなエドワード・S・モースの著書「日本のすまい」を思い出しました。

hon.JPG ぽわわ~ん・・・

これは!まさしく竹のタオル(てぬぐい)かけ!

モースの「日本のすまい」では、江戸から明治の日本の質素で清々とした庶民の暮らしや住まいが
外国人の目から驚きをもって事細かにスケッチと愛に満ちた文で記録され、紹介されています。

私は特に日本の伝統的な洗面所が好きで、自然の水や光をうまく感じられる造りになっていると思うのです。
朝、外の緑を感じながら冷たい水できりりと顔が洗えたら一日の始まりがなんと幸せか…(妄想)
このタオルかけなど、竹を使った身の回りの道具は本当に素晴らしい。

【モースによるタオルかけの記述】
「タオルかけは、ごくかんたんな構造のものまで、注目にあたいする。いろいろな形のものがあり、ほとんどが素朴なデザインで、いずれもつりさげる様式をとっている(中略)半円をえがく竹の両端に、二本のふとい竹をとりつけ、したの竹は固定させ、上の竹は上下に動くように作り、この2本の竹の間にタオルをかけてはさむものもよく見られる。これは上の竹の重みがタオルを押さえるわけだ。」

mada.JPG
実物を見つけ、感動したあまり記念に頂いてしまいました。
家に帰り、早速埃を洗い引っ掛けてみると
てぬぐいの幅にぴったり作られていることにも嬉しくなり。
いつかまた縁側と庭のある家に住んだら、軒先にぶら下げたい。
この手ぬぐいかけは縁側でぷらぷらと、陽の光に当たりながら
風に揺れている姿が一番似合うでしょう。

モースは手ぬぐい(彼はタオルと呼ぶ)についてもこう感想を述べています。

「タオルは木綿やリネンでつくられ、たいてい紺色で、スケッチ風の濃淡模様がプリントされていて、たいへんかわいい。」

私とモースは気が合うと思います。







今年のあさがお


RIMG0021.JPG
今年も暑さがおさまってから、
よしやまちの格子の朝顔がいくつも咲いてくれました。
そろそろ夏も終わり、種が出来てきています。

実は去年の種から伸びてきた2代目朝顔です。
そんな事もあってか、去年の過保護ぶりとうってかわって
割とほったらかし朝顔育てになってしまったのですが。

それでもご近所さんには可愛がってもらったようです。
夕方になると格子の向こうから
「今朝は五つ六つほど咲いてたなー」
「明日は・・・うーん、二つ咲くな」

声をかけてもらったり、お水をもらったり、
幸せな夏を過ごしたあさがおでした。





かなしい路地

IMG_0638.JPG突然ですが私は大好きなみかんの木の生えた木造アパートに住む事が夢でした。もしくは畳と木製建具のはまった小さな長屋住まい。一人暮らしをするなら絶対にこんなん!と決めています。でも、先日とても悲しい事があったので聞いてください。

学校の近くで物件を探していた私は、以前から気になっていたみかんの木の生えた路地の中に、木造アパートがある事を発見しました。お向かいには町家が並び、そこだけぽっかり明るくて、こんなところに住めたら素敵だなぁ~と思っていました。

後日、勇気を出して大家さんに聞いてみよう!と路地を訪ねました。するとおじさんが引越し中で、ここのアパートって空いてますか?と聞いてみると「空いているけれど、もう残り一軒しか住んでいないし、新規は無理じゃないかなぁ」引越し中のおじさんも、大家さんに言われてもうこの路地を出るのだということでした。

嫌な予感・・・
おじさんに大家さんを教えて頂き、訪ねてみました。
大家さんは、「すごく老朽化しているし、新規も募集していない」と
申し訳なさそうに教えてくれました。

IMG_0640.JPG
共同玄関から中を覗かせてもらうと、中には昔の小学校のような綺麗な木造の共同階段があり、とてもいい状態、雰囲気だっただけにがっくり、残念。

確かに老朽化している箇所も目に付きますが綺麗に使われていてそんなに痛んでいるようには感じませんでした。味を残したままより良く改修する事もできるはず!!しかし老朽化、新規募集しないとくれば解体。同じ路地の町家のおじさんも立ち退きとなると、路地全体が無くなってしまうのか…などなど想像し、また落ち込んでしました。みかんの木も切られてしまうのかなぁ…。名残惜しく(未練がましく)、その場を去りました…。


と、まぁ、話はこれだけでは終わりません!!


IMG_0642.JPG何か虫の知らせというのでしょうか、私にはもうひとつ気になっていた場所がありました。

これまた学校の近くの、平屋の長屋が並んだ路地。
通りがけにいつも見かけていて、どの家も私の大好きな木建具が並んでいたり、看板やランプなどの造作が手作り風味で、路地が土のままで緑が育っている感じもいいなぁ、素敵だなぁと思っていたのです。改めて見れば…ん?こんなに空部屋があったかな?空いているなら住みたいなぁ…

このさい勇気を出してノック・・・・話を聞いてみると…

え~!!!ここも6月で全員立ち退き???

なんということでしょう。なんなんでしょう。

お礼を言って、ふらふらとその場を立ち去り…立ち去りきれない!この悲しさ、無力感・・・。どうして私の好きな味のある路地は消えてしまうんでしょう。路地をまとめて更地にして、そのあと一体何が建つんでしょう。マンション?駐車場?そういう時期が来てしまったんでしょうか。

やっぱり私みたいなのは少数派意見なのか…。
私は一体どこに住んだらいいのか…。
この日感じたくやしさ、無力感、私は絶対忘れません!

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